ブランド 買取に乗り出す

企業がその製品ラインを拡張すれば、ブランド・ロイヤルティの基盤となっている購買パターンや習慣を乱し、購買決定のすべてをやり直させる危険を冒すことになる。 製品ラインの拡張によって、単一のブランドでさまざまな消費者ニーズを満たすことができるようになるが、同時に顧客はさらにバラエティを求めるようにもなり、そのため間接的にブランドスイッチを促すことになる。
短期的には、派生商品によってブランド全体の市場シェアは増加するかもしれない。 共食いや、マーケティング施策のシフトが起こってコア製品のシェアが低下すれば、長期的には支持基盤の健全性は損なわれるだろう。
派生商品が新規客を引きつけられず、むしろ馴染み客の目から見ると、ブランドイメージを強化するより、拡散させるようなものであるとき、この傾向が強い。 派生商品でカテゴリー全体の需要が増加することはめったにない。
商品選択の幅が増えたというだけで、人間は飲食の量が増えたり、洗髪の回数が増えたり、歯磨きの回数が増えたりはしないのである。 実際のところ、いくつかの製品カテゴリーを見てみると、カテゴリーの成長と派生商品の間に正の相関は見当たらない。
むしろ、つまらない派生商品によってメーカーが落ち目のカテゴリーを再活性化し、陳列スペースを維持しようと悪あがきすると、負の相関が出る。 マネジャーのキャリアという点からすれば、派生商品のほうが新ブランドよりも好都合だが、近視眼的なリスク回避のために長期の利益が犠牲になっていることがよくある。
メーカーへの信頼性が揺らぐにつれ、小売企業は自社のプライベート・ブランドに、より多くの陳列スペースを割り当てるようになった。 残された陳列スペースを求めてメーカー間の競争が激化し、プロモーション経費全体が膨れ上がり、利益はますます大手の小売企業へシフトしていった。
85年から92年まで、小売店の陳列スペースは毎年わずか1.5%しか増えていないのに対して、消費財のアイテム数は毎年平均16%増加した。 カテゴリー内の商品点数が増えたという単純な理由からは、小売業者は各カテゴリーにこれ以上の陳列スペースを割けない。

この商品の洪水に対して小売業がとった対応策は、陳列スペースを合理化し、回転の悪い商品はメーカーが販促をかけたときのみ仕入れ、新製品の陳列スペースを求めるメーカーには陳列協賛金を課し、23カ月以内に目標売上げを達成できなかった商品からは違約金を取るというものであった。

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